自分より出来る人に会えば、惨めになる

親がこれでもかこれでもか期待をするから、いつまでも自分の限界が分からない。
幼い頃、夜遅くまで算数を勉強した時に「凄いね、ここまで頑張って」と
言ってくれる親がいなかった。

そう誉めてくれる親がいて、「夜中の一時まで勉強してここまで出来た」
ということが分かる。そこで達成感を味わった。頑張ったというエネルギーが分かる。

ある子供。
三十問の問題が出た。子供は頑張った。
それなのに母親は「あと七問残っている」と言った。

これは母親の方が問題。そして理科も国語もやれと母親は言う。
この子供はエネルギーを失っている。
しかし、そこで誉めればエネルギーが出る。

「三十のうち一問でもいいから解きなさい」と言えばエネルギーが出る。
一問できれば、凄い。ここで誉める。ここで励ます。

「出来るところまですればいい」
「お母さんも起きているからね」とお母さんは言う。

あるお母さんは「えー、一問だけでいいんですか?」と言う。
「三十問やっていかないといけない」と、この母親は思っている。
この母親の中には憎しみがある。

この子は、部屋の掃除はしている。何とか母親に認めてもらいたい。
しかしやってもやっても母親は認めてくれない。

こうした子供が最後には母親殺しに走る。
達成感を持てれば、自分より多くの問題を解いた友達と会っても、自分は自分と思える。

しかし次から次へと期待をする親に育てられれば達成感がないから、
自分は自分と思えない。だから自分より出来る人に会えば、惨めになる。