悩んでいる人には解決の意志がない
人は成長するためには安心感が必要である。
安心感とは、恐怖感がないことである。
恐怖感があると、退行欲求と成長欲求との葛藤で、退行欲求にしがみつく。
人間の退行欲求には時効がない。何十年経っても驚くほどしつこく残っている。
権威主義的な親のもとで成長した人などは、幼い頃には恐怖感に苦しんでいる。
安心感がない。したがって、大人になってもしっかりと退行欲求を持っている。
高齢になっても持っている。
この退行欲求と、成長欲求の葛藤を自分の中で意識化していかないと、
本人が嘆いていてもどうしようもないと分かりつつ、嘆き続ける。
しっかりと自己分析しないと、自分はなぜこんなにまで嘆き続けるのか?ということが理解できない。
しっかりと自己分析していけば、自分から成長能力を奪った人が見えてくる。
それが見えてくれば次に方向が見えてくる。
退行欲求にしたがって生きている人は、現実が厳しい時でも心理的には居心地が良いから変わりたくない。
嘆いている人は、現実の困難に際して自分を変えることを、無意識に拒否している。
だから目の前に起きていることに対処しないのである。
悩んでいる人には解決の意志がないというのはそういうことである。
解決するには、今の心理的な居心地の良さから離れなければならない。
悩んでいる人にはそれができない。
辛い、辛いと言いながら、変わる努力を拒否して退行願望にしがみつく。
それが自分を変えることを無意識に拒否するという意味である。
「私は変わることを拒否して、嘆いている」ということを意識化することが大切である。