自分の夢や希望より、親を喜ばせるための人生を選んでしまった

将来、「医者になりたい」「弁護士になりたい」
「有名高校、有名大学に入って一流企業で働きたい」と言う子供達がいる。

はたして、本当に彼らの夢は一流企業で働いたり、医者になることであろうか。
大人の尺度でいう「よい人生」を送るために、親たちの間で繰り返し言われている言葉を、
いつの間にか子供が目標にするようになっただけではないだろうか。

子供は「お母さんがこれを言うと喜ぶんだ」と分かると、
誰に聞かれても「お医者さんになりたい」と答えるようになる。

大人たちもいいかげんなもので、子供の言葉を「すごいね」とわけもなく誉める。
そして、子供は自分の夢や希望というよりも、親を喜ばせるための人生を選んで進んでいってしまう。

子供が有名大学に入るためなら、親は一生懸命にわが子の塾の送り迎えをしたり、
講習にかかる費用を出したりする。

子供も親の期待に応えようと、必死に勉強する。こうして、子供は大学に合格すると、高い学歴を手に入れる。
つまり、これは親からのプレゼントにすぎない。
こうして親の望んだ大学や会社に入った子供の中に、やる気を失って
五月病に悩んだり、脱力感に襲われたりするケースが少なからずある。

これは、今まで親の目標を自分の目標と勘違いして生きてきた子供が、
いざ、その目標に到達してしまうと、次の目標を見失ってしまい、
自分一人で自分の人生を選んで歩んでいくことができなくなるからである。

子供にとって、親からのプレゼントが嬉しいものだったのか、幸せなものだったのかが、ここで明らかになる。
人が生きていく道は無数にある。親が希望して提示するごくわずかな将来像に縛られることなく、
子供はたくさんの選択肢から選ぶことができるはずである。

自分で人生を選んでいくことによって、はじめて自分にプラスなことを手にできる。
自分の意志で考え、決定できれば、人生を肯定的に見ることができる。

そして、いつか年をとり、生きてきた道を振り返ったときに、満足した人生だったと言うことができるであろう。
肯定的に物事をとらえることができれば、何事にも前向きな態度で、やる気をもって取り組むことができるのである。