生きている実感

人生には波乱がつきものである。楽しい時もあれば苦しい時もある。
その苦しさが経済的なものの時もあれば人間関係の場合もあり、また自分一人の心理的な葛藤の時もある。

いずれにしても人は苦しんでいる時、「どうして自分だけがこうした苦しみを味あわなければ
ならないのか」と、自分の運命を呪ったりしてしまう。

しかし、誰でも苦しんだり、悩んだりしているのである。
曲った道、険しい道、ぬかるみの道、平坦な道、あぜ道、凍りついた道、灼熱の道、
人生にはいろいろな道がある。

苦しい時に、「この辛い道はいつまで続くのだろうか」と考える。
いつかは終わると思うから、苦しみながらも歩ける時もある。

また心地いい道を歩いている時、過去に辛い道を歩いた経験があるからこそ、
その道を数十倍も楽しむことができるのである。

そして、またあのような辛い道に出会ったら、今度はもう少し楽な生き方を考えようと思う。
そう思いながら生きるから、人生の旅の楽しさがある。

生きる楽しさを見つけるには、知恵が必要である。その知恵は、苦しさや辛い時に生まれてくる。
そしてそれによって新たなる目的を見いだすのである。

困難がなかったとしたら生きている実感、あるいは生きている喜びを感じることはできない。