劣等感が人を苦しめる

劣等感に悩む人は、卑怯な人に批判され、詐取され、もてあそばれても、その卑怯な人に
会えば頭を下げる。
自分を不当に卑しめ、誹謗し、はずかしめる卑怯な人に、劣等感に苦しむ人は
ニコニコしてお辞儀をする。

それは何よりもそのような人が、相手を不当に高く評価し、自分を不当に低く
評価するからである。自分を憎んでしまった人の悲劇である。

自分を憎み、軽蔑してしまった人は、相手がどのように自分に対して不当なことをしても
心の底ではそれが妥当だと感じてしまう。
自分はそのように人から軽蔑され、卑しめられるしかない人間だと心のどこかで
感じているのである。

心のどこかで相手のすることを納得してしまっているところがある。
劣等感に苦しむ人、自分で自分を憎み、軽蔑してしまった人は、相手を不当に高く評価してしまう。

どうしようもない卑怯な人間を立派な人だと思い込んでいることがよくある。
だからこそ自分を卑しめる人間に抗議できないのである。