自分の性格に悩む
愛されなかったということは、幼い頃見捨てられる恐怖を抱いて生きていたということであろう。
見捨てられることの恐怖と一言で言うが、それは大変な恐怖である。
大変な恐怖という意味は、それが大人になるまで続き、大きくその人の性格に影響を及ぼすと
いうことである。
小さい頃置いてきぼりにされたりしたことの恐怖はなかなか忘れられるものではない。
そして大人になってもいつも見捨てられるものではないかと恐れるようになる。
その恐怖は成人しても中年期になり、死ぬまで続くものである。
恐れるようになるといっても、本人はそれを意識していないことがほとんどである。
意識していないがその恐怖に支配されているということである。
無意識にあるその恐怖に動かされていながら、本人はそれに気がつかないで、
自分の性格に苦しんでいたりする。
うつ病になりやすい人なども、その原因は、このも見捨てられる不安が根底にあるのだろう。
真面目で仕事熱心も、そうしていないと周囲の人に見捨てられるという恐怖があるからだろう。
本人はハッキリ意識しているわけではない。
しかし人と会うと不安な緊張をするのも、やはり無意識に、相手を満足させるように立派な人で
ないと、見捨てられると感じるからである。
その見捨てられる恐怖をさけたいからこそ、自分を良く見せようと不安な緊張をするのである。
何故、自分は人と会うとすぐに緊張をするのだろうと、自分の性格に悩む。
どうして他の図太い人と同じように平気でいられないのだろうかと自分の性格を嘆く。
そして必死で普通にいようとする。しかし人と会うとどうしても、自分の意志に反して
不安な緊張に悩まされる。
それはその人が小さい頃、感じた恐怖が一因だろう。