目に見える辛さ、目に見えない苦しさ
経済状況の苦しい人が、「お金ないよー」という辛さは分かる。
健康状態の悪い人が、「苦しいよー」と嘆くのは理解できる。
しかし、
親の介護問題を心配している時に、自分の自慢話をしている夫を
見ていると情けなくなる。その情けない気持ちは人には理解してもらえない。
会社の仕事で悩んでいる時に、同窓会に着ていく服装を楽しそうに
選んでいる妻を見ていると腹が立ってくる。
その腹立たしさを人には理解してもらえない。
学校で酷いイジメに遭って下校する。親は「どうしたの?」と
聞くどころか、「早く勉強しなさい」と傷ついた心に追い打ちをかける。
その辛さを分かってあげる人はいない。
人に話したところで
「あんたの御主人真面目な人だから文句言ったらダメよ!」
「お前の奥さん美人なんだから文句言うなよ~」
子供に至っては愚痴る人を探すのも勇気がいることである。
真面目だからといって人の気持ちを汲み取れるわけではない。
人からすれば些細なことでも、本人にしてみれば重大なこともある。
表面上のことは理解されやすいが、心の中は人には理解してもらえない。
そこで周囲の人に敵意が生じてくる。`
人は目に見えないところを分かってくれた時に安らぎを感じる。
人は言葉に表しにくいことを汲み取ってくれた人に信頼を寄せる。
また明日から頑張ろうーという前向きな気持ちになれる。