些細なことがケンカの原因ではない
夫がうつ病者のように妻に甘えていれば、間違いなく妻の態度に不満になる。
なぜなら妻は夫の無限の密着願望を満たしてあげることはできないからである。
そこで夫は怒りを感じる。
そうなるとぶつぶつ言いながらまとわりつく。
まとわりつきつつ、妻を際限もなくなじり続ける。
悩んでいる夫と妻の関係は家庭内暴力と同じである。
いつまでも妻を責めさいなむ夫がいる。
ちょうどいつまでも母親を責めさいなむ家庭内暴力の息子と同じである。
食事の出し方が悪いとくどくどと妻を責めさいなむ。
あるいは返事の仕方が悪いと妻を責める。
しかし彼はどんなに返事の仕方が悪いと妻を責めても気が済まない。
それは、問題は返事の仕方ではないからである。
問題はそもそも夫の昔からの深刻な心の傷である。
些細なことで妻を責める夫がいる。
これは、些細なことを通して夫の心理的葛藤が表現されているにすぎない。
結婚生活で、些細なことでケンカになったときには些細なことが
ケンカの原因ではない。原因は別にある。
夫は妻を責めることで妻の愛情を失うのではないかと不安になり、
責めることが理屈っぽくなる。
そして自分はなぜ怒っているかを理屈で説明し、妻からの愛を確認しようとする。
そこではじめの頃に言う事と後のほうで言う事とが矛盾してくる。