相手を非難しても何も改善しない

努力しながらも生きるのが辛い人は、
「あのような人になりたい」という人を間違えた。
頑張っても生きるのが辛い人は、本当はそのような人になることには向いていない。

小さい頃、理想の自我像を間違えて、生涯苦しみ続ける人が多い。
自分に最も向いていない仕事を、最も価値があると思い込んでいる人がいる。

そして、自分に最も適している仕事を蔑んでいる人がいる。
自分の潜在的能力を限りなく発揮できる仕事を、軽蔑している人がいる。

自分に適していない仕事で無理して頑張って、能率が上がらないで最後には燃え尽きる人がいる。
中年期には燃え尽きたり、不眠症になったり、自律神経失調症になったり、
うつ病になったりと色々なことがある。

そしてその原因は、若い頃の職業選択の間違いということも多い。
自分に適している職業ではなく、なんとなく、人がいいと言う職業を選んだり、
人からうらやましがられる職業を選んだり、給料の高さにひかれたり、
親の期待を叶えようとしたりと、職業選択を間違える。

それが何十年かしてハッキリと心身にあらわれる。
結婚も同じである。中年期に家族が崩壊の危機に直面する。

「酷い人と結婚してしまった」と思う。家族がめちゃめちゃな状態である。
それを立て直すのも、やはり「なぜ自分は、この人と結婚してしまったのか」
という、自分の若い頃の選択の動機を見つめることが第一である。

相手を非難しても何も改善しない。
自分の当時の心の病に気がつかなければ、先に進めない。

自分に適している人を選ばなかったのは、まさに自分自身なのである。
自分に適した人がいなかった訳ではない。

しかし例えば、自分のナルシシズムが原因で間違った人を選んでいる。
つまり、自分を誉めてくれる人を選んでいる。

いずれにしろ長い人生には、何もかもがうまくいかないと思う時期もある。
仕事や家庭がうまくいかないばかりでなく、自分自身もうまくいかない。

いつも、なぜだかわからないが何もかもが腹立たしい、
憂鬱な気持ちからなかなか立ち直れない等々、毎日が不愉快である。