自己のある人は安心感をもっている

欲求不満忍耐度は、受け入れられて育った人ほど高いのではないだろうか。
本当の意味で愛された人ほど、忍耐力ができてくるように思う。

すぐにカーッとなる人は、幼い頃、愛されなかった人であろう。
親のペットであったか、ほうったらかされ無視されたか、
いずれであれ、ありのままのその人は、受け入れられなかったのである。

幼児的依存心と忍耐力とは反比例する。
幼児的依存心のある者は、常にちやほやされることを求める。

そして、自分をちやほやしてくれない人間を憎む。
ちやほやしてくれることを期待して、ある人に接する。
しかし、その期待は裏切られる。すると、その人を憎む。

幼児的依存心の強い大人は、自分で自分をコントロールできない。
すぐにカーッとなって感情を爆発させたり、些細な失敗ですぐに気落ちしてしまったりする。

依存心の強い者は、心理的に親離れできていない。
大人になっても情緒的に未成熟な親に忠誠を誓っている。

本来の自分を歪めて親に忠誠を誓っていることで、もともと感情に無理がある。
だから、すぐにカーッとなったり、ガッカリしたりするのである。

本来の自分が曲げられて、素直に成長していないのである。
その人は情緒的に未成熟な親にとって都合のよい存在でしかない。

自分の感じ方を押し殺して親の望む感じ方をする。
しかし、この感じ方には無理がある。いつも張りつめている。

いつも感情的にギリギリなのである。
そこで爆発できるところでは、すぐに額発してしまう。

しかし、身近な人と一緒にいて自分は受け入れられ、そのままで
必要とされていると感じられれば、気持ちにゆとりができる。

身近な人に対して身構える必要がない。そんな中で人間は自我が形成されてくる。
自己の形成には、安心感が必要である。