甘い汁を求める以外に道はない
神経症者というのは自己中心的で身勝手な者だから
公平に扱われると物凄く怒り出す。
公平に扱われることは彼らにとって自分が犠牲になるのと同じなのである。
神経症者は皆より自分が特別に優遇されることが当たり前のことであって、
皆と同じに扱われれば自分は虐待されているという感じさえ持つ。
彼らは自分の神経症的な要求が通らなければそれは不公平なことであり、
自分が犠牲になることなのである。
彼らにとっては大人になっても幼い頃のように皆から世話をされる
状態が正常で、それ以外の状態は自分が被害を被っている状態なのである。
心理的に成長していないものは職業生活でも収入のある閑職を欲しがる。
その様なものを当然のこととして要求する。
自分の気に入った職業を求めて職を転々と変える。
言ってみれば収入の多い、しかも暇な仕事を求めて転々と仕事を変える。
はたから見ると楽をしてしかも収入の高さを求めるとは何を考えて
いるのだということになるが、本人はそれを当たり前と考えている。
現実から逃避したまま現実の中で生きていこうとすれば、その様にして生きるしかない。
現実から逃避すれば、何かうまいことはないかという発想しか生まれない。
現実から逃避しても住んでいるのは現実なのだから、甘い汁を求める以外には道がないのである。