抑圧の強い人

人がどう思うかということを凄く気にする人がいる。
人がどう思うかということを凄く気にするのは、自分が隠しているものがあるからである。

その隠しているものを人に気がつかれないかとという心配である。
自分が何かの弱点を人に隠しているとする。
するとそのことに人が気がつかないと心配になるのは当然である。

それは自分が自分に何かを隠した時にも同じであろう。
自分が心の底では頭が悪いと感じている。しかしそれを認めることはできない。
そんな時に人に対して虚勢を張る。

人にも自分にも、自分がいかに頭がいいというふりをする。
そんな時に人が自分の頭の悪いことに気がつかないかと気にするのは当然である。
いつも人がどう思うかということを気にしている人は何かを隠している人である。

お金がないのにお金があるふりをすれば、人が自分のことをお金がないと
思わないかと気にするようにならざるを得ないであろう。

冷たいのに心の温かい人のようなふりをしているとする。
そんな時に人が自分を冷たい人と思わないかと気にするのは当然である。

心の温かい人が、人が自分のことを冷たい人間と思わないかと気にすることはない。
抑圧の強い人は人が自分をどう思うかを気にする。

抑圧というのは自分が実際に感じていることを自分の意識から追放することだから、
自分には分からない。つまり無意識のことなのだから自分が抑圧をしているかどうかは
分からない。

確かにそれは理屈である。理屈から言えば無意識のことは意識では分からない。
しかし人がどう思うかということを凄く気にするならば、自分は抑圧が強いと
思ってもいいだろう。