子育ても何もかもがマニュアル通り

自分の家を「私の家、僕の家」と感じなくなった子供がいる。
そうなってしまうのは、母親の生き方に問題があるからである。
生活感の欠如した親が増えているということである。

このような親たちは、親として未成熟というよりも、生き方そのものがすべて未成熟なのである。
例えば、若者と同じで、流行に追いつくのが大変で、心理的にも
子供のことまで手が回らないという母親も多い。

そうした母親は、あれもこれもしておかないと、流行に遅れてしまって
周囲の人にどう思われるかが気になって仕方がない。

友達が、「昨日、ボルドーのワイン飲んだのよ、やっぱりおいしいわね」
と言えば、自分が母親であることを忘れて、自分もボルドーのワインを
飲まなければと焦る。

そしてこのように生活感のないことが、素晴らしいことだと錯覚する。
まるで原宿を歩いている若い女の子と同じ価値観である。

そして、生活感の欠如した親たちは、子育ても何もすべてマニュアル通りになる。
おそらく料理に各々の家の味が失われたのも、こんなところが原因なのだろう。
その家の味というものがなくなった原因は、未成熟なマニュアルお母さんである。

料理もマニュアル通りだと飽きがくる。
自分の家族の好みに合わせてつくるから家の味が出来あがってくるのである。

そこで子供は「おかあさんのカレー」という味を覚える。
そこに子供は母親を感じる。そこに家への愛情が生まれる。

こうしたことがないから、家に対する帰属意識を失う子供もでてくるのだろう。