リーダーはけじめをつけられる人でなければならない
リーダーになる人は、避けて通れぬことは避けようとしない人である。
避けることは一時の安らぎかもしれないが、事態をもっと困難にしてしまう。
リーダーは困難な状況から抜け出すのに、ラクな道を通ろうとする子供で
あってはいけない。
神経症者なども、困難な状況を解決するときにも皆にいい顔をしようとする。
この問題を解決するのには、あの人と対立することは避けられないというときに
その人と対立しないで解決しようとする。
したがって、いつまでも解決できない。その困難を解決したい。
しかしその人と対決できない。
したがって、いつまでもどっちつかずの態度をとり続ける。
集団同士が対立したような困難な状況があるとする。
そのような状況で、責任を持って物事を解決しようとしているリーダーに、
最も困る人間というのがいる。
集団のリーダーにとって最も困る人間、それは相手方の集団に
いい顔をする人間である。
いい顔をすることと無責任とは同じである場合がある。
神経症者は誰にでも好かれようとする。したがってその言動が無責任になる。
あっちにもこっちにもいい顔をする人は、責任を持って物事を処理しようと
している人には本当に困り者なのである。
そして、時にいい顔をすることと無責任とは同じことである、ということを
理解できるかできないかがリーダーになれるかなれないかである。
誰にでもいい顔をする八方美人はリーダー失格である。
人に好かれることで自分の存在感を確かめる人は、人の上に立てない人である。