誰が好きか、嫌いかわからない

自分の悩みは他人とは関係ないと理解している人は、
自分の名誉も他人とは関係ないということを理解している。

だから、名誉を得るためにすべてを犠牲にするようなことはしない。
そうなってくると、他人によく思ってもらうことが人生の喜びではなく、
他人を愛することが人生の喜びになってくる。

他人を愛することと、他人からよく思ってもらうということとは全く逆である。
幸せな人は他人を愛するばかりではなく、人生の適切な目標を持っている。
だから能動的、積極的である。

他人によく思ってもらおうとしている人がいる。他人の好意を失うのが怖い。

だからいつも受け身で、他人の幸せを願うなどという、心のゆとりはどこにもない。
他人からよく思ってもらおうとするから、自分を見失うのである。

自分を見失うから、自分から誰かを好きになるということがあまりない。
自分のことを褒めてくれる人を好きになる。

自分を好きになってくれる人を好きになる。自分に何かをしてくれる人が好きになる。

逆に自分を批判する人を嫌いになる。
自分の方から好きになったり、嫌いになったりしない。

褒めてくれれば、その人を好きになる。けなされれば、その人が嫌いになる。
自分がなくて相手への反応しかない。

他人からよく思ってもらおうとすると、他人のお気に入りの
人間になろうと努力してしまう。従って他人からの期待に弱い。

他人の気を引こうとして、自分の願望を捨てる。
自分に与えられている才能や適性を活かすのではなく、
他人の気を引ける人間になろうとしてしまう。

そして生きる方向を間違ってしまう。