みんなが好意的に自分のやることを見てくれるわけではない

あの人が賛成してくれるからこれをやろうというような依存心の強い人は仕事ができない。
あの人が賛成してくれると思っている人が必ずしも賛成してくれるとは限らない。
そのとき受ける心理的打撃は、きわめて大きい。

自分を信頼して新しい事を始めた人は、そのような時でも心理的打撃は小さい。
つまり仕事を始めるということは、誰かに心理的に頼っていては最後までやり遂げられないと
いうことである。

途中で思わぬ反応や、さまざまな人が出てくる。
その反応にいちいち心理的打撃を受けていたのでは、最後まで気持ちが持ちこたえられない。

相手との関係にすがって生きる人は、つねに相手の期待に沿うことばかり考える。
そして自分が判断するよりも、相手がこう言ったということを頼りにする。

しかし相手のそういうひと言を頼りにして仕事をするのは危険である。
つまり、その人も途中で仕事を辞めるかもしれない。

仕事のポジションは変わり、自分の上司が替わるかもしれない。
次の上司が必ずしも、同じ考え方をしているわけではない。

そんな時、前の上司がこう言ったというのでは仕事にならない。
他人に対して自分が説明できなければならない。

仕事をする上で必ずしもみんなが好意的に自分のやることを見てくれるわけではない。

現実の企業の中で仕事ができない人の特徴の一つは、
この世の組織は完全で、他人は理想的な人物であるという前提で仕事をする人である。

他人は理想的ではない。生身の人間である。
色々な感情があり、色々な事情を抱えていて、さまざまな限界を持っている。

組織も他人も理想的であること前提として仕事をし、
途中でうまくいかなくなると、こんな組織で仕事ができるか、
こんな人の下で仕事ができるかというのでは、現実の企業の中では仕事ができない。

そしてそのようにこぼす人の特徴は、自分も生身の人間で
色々な欠点を抱えているということに気がついていない。