一歩下がる愚行

自己評価の低い人は、どんなに素晴らしい長所があっても
人との付き合いで引け目を感じる。

一歩引いて、人と争わず、人に譲ることで円満な人間関係を築こうとする。
恋愛においても自分の感情より相手の感情を優先させることで相手の関心を惹こうとする。

控え目でもないのに控え目な人物を演じるようになる。
控え目な方が良い人だと勘違いし演じてしまう。

相手の感情を優先させたからといって、自分の感情が消えてなくなるわけではない。
抑えつけられた感情は憎しみという仮面をつけて様々な場面で顔を覗かせるようになる。

そもそも自分に抑えた感情があるのを人は気が付かない。
自分でもその時その時の抑えた感情は忘れてゆく。

感情を抑えることで本来の自分の感情が分からなくなる。
自分自身というものが分からなくなる。

自分を犠牲にすることが、相手を大切にしていると勘違いする。
お金のため、世間体があるから、家族のため、様々な理由をつけ今の不幸にしがみつく。

偽りの自分を演じて、真の幸福は訪れない。ただ生きるのが辛くなるだけである。