なぜ反発されるか分からない

社会的協調性というとすぐ個性を失うことと考える人もいるが、必ずしもそうではない。
社会的協調性というのは、その人の情緒的成熟のあらわれでもある。

社会的協調性のない人が組織とかかわると、組織を利用しようという姿勢が出てくる。
組織の中で自分を生かそうというのではなく、組織を自分の名声のために利用しようとする。

したがって周囲の人から反発が出る。しかし自己中心的な人にとっては、
自分の態度が正当に思えるので、なぜ反発されたか分からない。

自分の才能を生かして組織の発展のために尽くすことは、自己中心的な人には考えられない。
組織が自分の名声のために動くということしか受け入れられないのである。

したがって組織の中の人から反発が出てくる。あの人のために頑張ろうなどと
いうことには絶対にならない。

社会的協調性があり、かつ才能がある人のためには、周囲の人は、あの人のためならという
気持ちになるのであろう。

自己中心的な人は、社会的協調性がないのに、他人にこれと同じ態度を要求する。
他人が自分に反発して当然のことをしておきながら、他人が自分に献身するのを当然と思う。

自分に才能があると信じながら、他人が自分についてこないのを理解できない人は、
自分の心の中の神経症的要求に注意してみることである。
どこか他人に見当違いなことを要求しているのである。