他人がどう思うかなどと憶測することをやめることである
失敗した時、失敗を何とか自分の心の財産にしようとすることは大切である。
肉体的病気については、よく抵抗力ということが言われる。
しかし、心理的なことについてだって抵抗力というのはある。
ある失敗に耐え抜くことができれば、それは失敗に対する抵抗力がついたという
ことである。
失敗から立ち直ると、自分の心は強いという自信がつく。
失敗ばかりでなく、困難についても同じである。
ある困難を前にした時、前にそのような同種のことをやり遂げていると、
今度も何とかやりぬけるだろうと勇気づけられる。
成功であれ、失敗であれ、それらの体験は心の財産である。
もちろん、それを財産にしようという心の姿勢は必要である。
自分が何かに失敗した時、恥をかいた時でも、そのことに神経を集中していると、
通常の生活に対する意欲も失われてくる。そのことに神経を集中しているからといって
心の痛みが和らぐわけではない。
失敗した、失敗したと神経を集中するよりも、「自分は、この失敗から何を学ぶか」という
態度で失敗に向かっていくと、不思議に、失敗からくる心痛は和らぐものである。