自分の身心は現実を知っている
トラブルの解決法には二つある。
一つは逃げの解決。もう一つは正面からの解決である。
逃げの解決とはどういう解決であろうか。![]()
典型的なのはお酒やギャンブルに逃げるという解決である。
薬物に逃げるのも同じである。
ある人は薬物をやると「何かその時の問題がどうでもいい小さな
問題に見えてくる」と言っていた。![]()
まさにその時だけを考えると逃げてしまえば、今の大問題は
どうでもいいと思えてくる。
そしてその時点では心理的に解決してしまう。
しかしそれは問題を大きくしただけである。![]()
あるオーナー会社の社長である。
父親の早死によって若くして社長になったが、人間関係の
トラブルで辛いことが多かった。広大な土地を持っている資産家である。
そこで一流のクラブでお酒を飲むことに逃げた。![]()
まだ暗くならないうちからお店に行く。ついに最後はアルコール依存症になった。
お金のあることが仇になった。お金があるからいくらでも女はついてくる。
しかし皆お金目当ての女であるから質が悪い。
彼のことを考えるような質の良い女は一人もいない。
ますます人間関係が酷くなり、仕事もできなくなってしまった。![]()
ある主婦は家庭内の雰囲気が悪いのが凄く気になっていた。
夫は仕事ばかりで、子供は反抗期で会話もない。
おまけに姑も何かと口うるさい。![]()
それなのに「家庭は円満」と強がりを言っていた。
そして週末にボランティア活動をしていた。
ボランティアをしない人を軽蔑していた。そして胃を壊した。
「イヤなことから目をそらさない」ということがストレスを本質的に解決する
ためのポイントである。![]()
イヤなことから目をそらすと、その結果そのことがさらにイヤなことに
なってしまう。彼女の心はボランティアに逃げた。
しかし彼女の身体は現実を知っている。そこで身体が不調になった。
ボランティアは、自分を大切にできてからすることに、意味がある。
自分をたくましいと思っている人の中には、単に強がりの人が多い。