完全であれば安心できると思っている
こうあらねばならないという意識が強すぎる人がいる。
疲れていると、早く疲れをとらなければならないと思う。
そして熟睡しなければならないと焦る。
そして熟睡しようと、意識して努力する。
今日は疲れたなどと、ぼっーとしていられない。
いつも懸命なのである。
疲れをとろうとして懸命になったのでは、疲れはとれない。
疲れやすい人にはこのように「こうあらねばならない」という
意識の強すぎる傾向があるのではないだろうか。
経験が自然に流れていかない。いつも無理がある。
いつも肩に力が入ってしまう。いつも何かに追われているのである。
肩の力を抜こうと意識的に努力してみても、肩に力が入る。
心の底に不安がある限り、意識して肩の力を抜こうとしても肩に力は入る。
いつも不安な何かに備えているのである。
その恐怖に対して準備しているのである。
何か自分に対して辛いことが起きるに違いないと感じ、
それに対して準備している。
だから休んでいられないのである。
その来たるべきつらい日に備えて準備をしなければならない。
いつも恐怖に対して身構えている。
「こうあらねばならない」という意識の強すぎる人は、何か不安なのである。
焦るのは何か不安だからである。早く安心したいのである。
あるべき自分になることで、早く安心したいのである。
これでもか、これでもかと完璧を目指して不安な努力を毎日続ける。
とにかく安心したい。完全であれば安心できると思っている。
しかしどこまでいっても安心できない。
不安の原因は自分の外側にあるのではなく、心の中にあるからである。