嘆くことが先になる
逆境に強い人は困難を自分への挑戦と受け止めるが、
うつ病になるような人はそう解釈できない。
困難な事態を自分への挑戦と受けとるよりも先に、
「何でオレがこんな酷い目にあわなければならないのだ」と思ってしまう。
困難を乗り越えるほうにエネルギーがいかないで、嘆くことから始まる。
それは心の底に隠された敵意があり、その間接的表現として
嘆かないではいられないのである。
うつ病になるような人は、とにかく今を生きているのが精一杯。
生きることそのものが精一杯なうつ病者はどうしても、嘆くことが先になる。
受け身の人は、敵意を直接相手に表現できない。その結果、自分を頼りなく感じる。
隠された敵意は、さらに人の心を受け身にしてしまう。
受け身と敵意が悪循環していく。受け身の人はストレスを感じやすい。
受け身でいるから困難は増大してくる。
受け身でいるから、何でもないことがすごい困難に思えてくる。
困難に出合うから受け身になるのではなく、受け身が物事を
困難にしてしまうのである。
受け身な態度や考え方が困難を呼び込んでしまう。
うつ病者の悲観主義、受け身がうつ病者の生活を蝕んでいることは明らかである。
もちろん人を受け身にしてしまうのには、色々な原因があるだろう。
大切なのは、「なぜ自分が受け身の姿勢になってしまったのか?」という自己分析である。