否定的な暗示には注意しなければならない

個人の努力を超えた運、不運は存在する。
そして、どんな時にも不運の側にまわる人は必ず出てくる。

例えば買い物に行き、店員にすすめられてある商品を購入したとする。
ところが、別の店に行ったら同じものが値下げしていた時、
信じられないほど大きく後悔をする人がいる。

まるで騙されたといわんばかりに購入した店を苦々しく思い、
不幸のどん底に突き落とされたかのように感じるのである。

同じ物ならば、安く買えるにこしたことはない。しかし、それが人生の幸せの条件ではない。

うつ病者のように所有と損失ということを軸に動いている人は
それで大損してしまったかのように感じ、いつまでもくよくよしている。

まるでそれだけが人生の価値であるかのごとく錯覚している。そういう人は多い。

いずれにしても、買い物一つでも運のいい人と、不運な人がいる。
大切なのは、そのとき自分の不運を嘆くよりも、自分が今まで全精力を
もって生きてきた姿勢を、自分が正しく評価することを忘れないことであり、
悪いのは自分ではないと自分にいい聞かせることである。

悪いのは自分ではないのに、自分はなんてダメなんだと、自分を責めたり
嘆いたりしていると、本当に自分がダメな人間のような気がしてくるし、
事実本当にダメな人間になってしまう。

否定的な暗示には注意しなければならない。
暗示は無意識に働きかけて、暗示されたことを現実にしてしまう人もいる。

少なくとも、自分はダメな人間だというような暗示を自分にかけるのはよくない。
自分は精一杯やった。悪いのは自分ではない。ついていなかっただけだ。

自分は失敗者だというような自分のイメージをつくってはならない。
運が悪かったのである。ただそれだけである。
すねて反抗などするのはもってのほかである。