自分を one of them と考える
他人にとって自分は単に一人の市民である、単に一人の知人であると
気がつかない人がいる。社会の中での自分の位置に気がつかない。
自分の位置を間違えているから、周囲の人が面白くないのである。
もし、新入社員が会社の中で自分の位置を課長と思っていれば、
会社の人の態度は面白くないだろう。
悩んでいる人が、自分は単に一人の市民である、単に一人の知人である、
ということが理解できれば、おそらくその時にその人の悩みは解決に向かう。
つまり、それが理解できた時が、自己中心性から抜け出せた時と言える。
自分の結婚は、他人にとって単なる一つの結婚にすぎないと理解できれば、
今度は逆に、他人の結婚から心理的な影響を受けることはなくなる。
他人が幸せな結婚生活をしているのが悔しいとか、他人が離婚騒動を
しているのが面白いということがなくなる。
つまり、他人のことが気になって仕方ないという生活から解放される。
昔の仲間が出世したことが気になって仕方ない、などということはなくなる。
学生時代の知人が結婚したとか、離婚したとか、誰がエリートコースに
乗っているかとか、誰が非正規雇用だとか、そんなことに関心がなくなる。
何であの人が出世をして、あの人が日の当たらない生活をしているのか、
あの人が幸せな結婚生活をしているらしい、あの人は愛人になってしまったらしい、
そんなことで喜んだり、悔しがったりということはない。
もちろん妬みの苦しみからも解放される。
自分の悩みを相手の事情も考慮しないで、誰にでも相談するような人は、
立場が変われば、他人の不幸が喜びになるような人なのである。