蓄積された屈辱感

欲求不満のような人は、無意識の世界で未解決な体験が多すぎる。
真面目だけれども、憎しみを持っている。そして社会との対応ができていない。

彼らは表面的には真面目だけれども、心理的に言えば、その場その場をいい加減に生きてきた。
その場その場の問題を、きちんと片づけて生きてこなかった。

前の恋愛に始末をつけないで、次の恋愛を始めてしまった。
前日の片付けのできていない仕事場に、また仕事に行く。
前の部屋を片付けないで、次の部屋に行ってしまった。

心理的に未解決の問題が多すぎるから、不眠症にもなるし、自律神経失調症にもなるし、
うつ病にもなるし、内科的な理由もなく頭痛にもなるし、吐き気もする。

あるいはギャンブル依存症に苦しめられたり、アルコール依存症になったり、
様々な依存症に苦しめられる。

だから他人の一言で、急に不機嫌になる。相手の何気ない行動が許せない。
相手のすることなすことが、怒りの種になる。

人のすることは、何事も好意的に解釈できない。今、欲求不満の塊になって、毎日怒っている。
自分の今の怒りは自分の歴史的立場からすれば、当たり前のことである。

しかし、蓄積された屈辱感は、本人にも他人にも見えない。
したがって周囲の人から見れば、それはその人は単なる欲求不満の塊である。

しかし、本人からみれば自分は正義の人である。しかしどんな正義の人でも誰もついてこない。
そのときに「私は無意識に深刻な問題を抱えている」と思って、自分の心の底を見つめてみることである。

どんなに本人が正しいと思っても周囲の人からみれば自分勝手、独りよがりである。
その周囲の世界と自分の感情のギャップは乗り越えがたく大きい。
その原因は蓄積された屈辱感である。