自分と向き合わないことが彼らの悲劇を生む
過剰なまでの規範意識を持っている人がいる。確かに義務を果たそうという努力はしている。
これで人間関係はうまくいきそうだけれども、そうはいかない。
逆に、トラブル続きということもある。
こういう人の義務責任感は自分の権利という方向ではなく他人に好かれるための義務責任感になる。
トラブルメーカーになる人は、それが自分の権利という方向に
向いてしまった。彼から見ると、自分の権利をおかされるからなおのこと権利に執着する。
だいたい権利に執着する人はエネルギーがない。
そういう人は他人に嫌われる。他人はその人が嫌いだから、その人の言うことに対して好意的に反応しない。
しかし本人は正しいことをしているという意識が強い。だから彼らは他者に対して常に怒りの意識を持つ。
周囲の人がその人に反対するのは、その人の言っていることが
間違っているからではない。その人が嫌いだからである。
しかし自分が嫌われているから、周囲の人が自分の言うことに
賛成しないということが分からない。そこで怒りが生じる。
規範意識が自分の権利という方向に向かってしまうのが、非抑制型の人である。
自分がこうしなければというよりも、他人がこうすべきだというように
なってしまう。規範は他人が守るべきものになる。
人間の社会的な位置というのは理屈だけで決まるわけではない。
人々が反応するのはその人が、正しいことをする人かどうかばかりではない。
好かれる性格とか、嫌われる性格とか、優しい人とか冷たい人とか、
有能な人とか、有能でない人とか、常識があるとかないとか、
ルックスとか、お金とか、実に様々な要因で、周囲の人の気持ちは決まっていく。
人の評価はトータル的なもので決まっていく。
しかし規範意識が自分の権利という方向に向かってしまうトラブルメーカーの人は、理屈が通らないと怒る。
彼らも自分の言うことは正しいのに、なぜ通らないのか?ということを考えられるようになれば大きく伸びるのである。
その反省がないのが非抑制型の人の弱点である。
他人に思いやりを欠いて、自分の権利ばかり主張するから自分は嫌われているということが理解できない。
自分と向き合わないことが、彼らの悲劇を生む。他人が評価する自分と自分が思っている自分とに
違いがありすぎる人というのはあちこちでトラブルを起こす。