心のやすらぐ場所を持っている人はそこを動かない

やすらぎの場所とはどんな場所だろう。
苦しさが心の中に満ちたとき、「苦しい」と素直に言えるだけで心は楽になる。
しかし、そのときの相手は自分を認めてくれる人でなければならない。

悲しさに耐えられなかったとき、そばにいてくれるだけで悲しみが半分になる人がほしい。
しかし、それはともに苦しさ、悔しさをわかってくれる人でなければならない。

そのとき、人は心から安らかになる。生きている喜びがある。
一人ではないことを感じるからである。そこがやすらぎの場所である。

どんなにお金があっても力があっても、それだけでは喜びにはならない。
どんなに辛くてもどんなに悲しくても、自分をわかってくれる人が一人いたら
生きることが楽しくなる。やすらぎとはそんなものである。

そしてどんなことをしても許される安らぎの関係は、ありのままを認めなければ築けない。
自分がどんな人間であっても、この自分を認めてくれる相手との関わりから信頼が生まれ、
安らぎが生まれる。

そしてそこまで信頼できる人は、たった一人で十分である。
心のやすらぐ場所を持っている人はそこを動かない。

自分の居場所がない。自分の存在感がないという人は多い。
自分が何物であり、何をすればいいのかわからない人は快楽に走る。
衝動に身を任せる以外に、どう生きていいかわからない。