挫折を成長のきっかけとする

仕事の挫折であれ、家庭での挫折であれ、それはその人の価値を脅かす。
面子はつぶれる。しかし、その時、その挫折を正面から見つめ、何故自分は挫折したのかを
解き明かすことで、人は強くなる。自我の内容は豊かになる。

自分の置かれている状況に立ち向かうことで、情緒は成熟する。
そして、それを助けるのが愛である。

そうであっても依存心の強い者は、このような人をも避ける。
そして、いつも脅かされて生きていることになる。

挫折を正面から見据える中で新しい事実を発見し、心豊かになっていく人と、
挫折から身を守ろうと歪んだ価値観に身を固めて、社会との関係を切っていく人とがいる。

中には常軌を逸して動き回る人もいる。
不安から逃れようとしているのであろうが、葛藤状況が処理されていないから不安はなくならない。
強迫的に活動しているだけである。動いていないと不安なのである。

どのような形で逃げるにしろ、逃げればパーソナリティーは貧弱になる。
挫折を正面から見つめるのは大変なことである。

しかし、正面から見据えることができれば、挫折は間違いなく成長のきっかけとなる。
人生は、一つ一つの問題を正面から見据えて、解決していくより仕方がない。

逃げ切れるものではない。
逃げ切れるものではないのに、逃げようとする人が多い。