子供は親から感謝されることが嬉しい
子供の心を育てるのに大切なのは、親が子供のすることに対して恩に着ることである。
子供が何かをしたときに「ありがとう、助かるわー」と母親が言うことで子供は満足する。
そしてさらにやる気になる。
子供が家の手伝いをした。そのときに「そんなことよりも勉強して」と母親が
言ったとしたら、子供はまずやる気をなくす。
それだけに親が子供に恩着せがましいのは子供の心を破壊する。
恩に着せることで成長できるのに、恩に着せられるのだから心理的に成長できないのは
当たり前である。
成長できないばかりでなく、生きる力を失う。何かをやろうとする意欲を失う。
何かを子供が書いた時に「わー、きれいに書いてくれたわねー」と言うと、子供は、
もっときれいに書こうとして、もう一度書き直すことがある。
それくらい「くれたわねー」という、恩に着る言葉が子供には嬉しいのである。
何事であれ「こんなにもしてくれたの」と誉められると子供は「もっと頑張ろう」と
いう気持ちになる。それほど子供は親から感謝されることが嬉しい。
音読が子供の成長に望ましいという。脳の発達にも良い刺激になるという。
そこで子供に音読させようとする親が増える。しかしうまくいく場合と、
うまくいかない場合がある。どこが違うのだろうか。
「お母さんに聞かせてね」と言われる子供と、「声に出して読みなさい」と言われる
子供の違いである。「お母さんに聞かせてね」と、子供の音読を恩に着て、
喜ぶ親の気持ちで子供は伸びる。