自分に自信を持てない
人は成功するから満足するのではない。
幸せと感じるから満足するのである。
そして、満足するからやさしくなれる。
やさしくなるためには満足しなければならない。
では、幸せと感じるためには何が条件か?
それは、人を愛することである。
家族であれ、恋人であれ、友人であれ、部下であれ、上司であれ、
誰でも良い。
人を愛することが、幸せになるための条件である。
人が幸せになるためには、人を愛する能力を持っていなければならない。
その愛する能力を奪うのが、自己蔑視である。
幼児期、少年少女期に愛された人には、自己蔑視はない。
しかし、親も人間である以上、完全に愛された人などいないと考えてよい。
つまり、人は多かれ少なかれそうした感情を持っている。
そこで、人がまず努力すべきは、自己蔑視の克服である。
おかしな言い方であるが、自己蔑視している人は、多くの場合、
自己蔑視という点を除けば素晴らしい人である。
まず何よりも、とにかく努力している。
心が豊かではないが、行動が真面目である。
人間関係では人を利用したり、搾取したりしない。
相手から何かを言われると、つい、「そうしなければいけない」と思ってしまう。
「どう?」と聞かれると、答えたくなくても相手を無視できなくて、
「答えなければならない」と無理をして答える。
お人よしだから人間関係で消耗するのである。
ただ、小さい頃から周囲からの否定的メッセージを内面化しているので、
なかなか自分を尊敬できない。自分に自信を持てない。
自己蔑視している人は、今まで自分がしてきたことを過小評価している。
けっこう頑張って生きてきている。かなりのことを成し遂げている。
それなのに自信を持てない。