相手を思いやる心はない

自分の惨めさを切々と訴えるメールを読んだり、
自分の惨めさを切々と訴える人の話を聞いていると
色々と気がつくことがあるが、その一つはおよそ優しさがないということである。

自分が話している相手の忙しさや体調、時間を考えない。
もちろん相手の興味も考えない。とにかく自分のことしか考えていない。

ほんの少しでも考えれば、書かないだろうことを延々と書いてくる。
とにかく、自分の哀れみを訴えるばかりで、相手のことは全く無視である。

また惨めさを訴える人には夢がない。
夢があれば、それに向かって努力するだろうが、それがない。

夢があれば夢に関心が向くが、周囲の人に関心が行ってしまう。
苦しいのは、みんなが自分を理解してくれないからなのである。

心理的に健康な人なら、辛い時、何故そんなに辛いのかを考える。
そして、どうしたら元気になれるかを考える。

そして親しい人に、こんなに辛いと言う。
そして慰められたり、叱られたりする。

心理的に健康な人が苦しいと言う時には、ある目的に向かって
努力するのが苦しいのである。

優しさは人にエネルギーを与えるが、惨めさを訴える人は
相手からエネルギーを奪う。接しているとこちらが疲れるのである。

敵意や憎しみは、こちらのエネルギーを奪うのだろう。
解決の姿勢は全くなく、ただ苛立ちがあるだけである。

自分の辛さを延々と訴える人にはもう一つ共通の特徴がある。
内容は深刻なわりに気楽に惨めさを訴えてくるということである。

訴える内容は、深刻であっても本気ではないということである。
こちらが真剣に対応しようものなら肩透かしをくらってしまう。

いいように振り回されるだけである。
本当に何とか人生を立て直したいか、ただ気楽に不幸を訴えているかを
見極めるのもカウンセラーには大事な任務である。