自分を大層な人間と思っている
自分は今、仮の姿で、本当はもっと偉い人間だと思っている人がいる。
自分に合った仕事がないという人もいる。
ぶらぶらしていながら、偉そうにしている。
仕事を持っていくと、そんな仕事は自分にはできないという。
自分を大層な人と思っている。
そのような仕事をして、自分のイメージが傷つくことを恐れるのであろう。
知り合いを紹介されても、もっと素晴らしい人でないと付き合えないと
いう人がいる。自分に合った人がいないから結婚しない、というような人もいる。
よく「あの人は、プライドばかり高くて」という言い方をすることがある。
そのようなときに使う「プライド」が、神経症的自尊心である。
第三者から見ると、その女性にはその男性がお似合いである。
しかしその女性は、あの程度の男性ではイヤだという。
自分一人で自分を大層な女と思っている。
第三者から見ると、その仕事は、その人にふさわしい。
しかしその男性は、あんな仕事ではイヤだという。
神経症的自尊心の持ち主は、他人から見ると自分はどう映っているか
ということを考えない。
どこから見ても「すごい人」に見えない。
しかし、そのことが分からない。
そしてそのように「すごい人」と他人が見ないことに傷ついて、怒る。
つまり他人に「すごい人」と見ろというほうが無理なのであるが、
そのことが分からない。
第三者から見て自分は、特別の注目に値する人間ではないということが
理解できない。
神経症的自尊心の持ち主は、相手にとって自分がどういう存在であるか
ということが理解できない。