誠実な人とずるい人の見分けもつかない
トラブルの多くは人間関係だから、たいていは「あいつは許せない」
といった種類の憎しみや恨みの感情がトラブルの時には伴っている。
人間関係のトラブルには先ず悔しさの感情が伴う。
「利用された、騙された、舐められた」等々の無念の感情である。
「悔しい」、それは憎しみの感情だから地獄である。
そして生きるエネルギーを消耗し、やつれ果てた時には憎しみからふと
「もうどうでもいい」と無気力になる時も出てくる。
真面目な官僚が自殺する、真面目なエリートが自殺する、
中小企業の経営者が自殺する。個々のケースは色々と内容が違うだろう。
しかし周囲の誰かの口車に何処かで乗ってしまったということは
共通しているのではないだろうか。
上手くコミュニケーションできないという弱点は、ずるい人の
言うことを信じてしまうという弱点に通じる。
人を見抜けないという弱点に通じる。
彼等は誠実な人とずるい人の見分けもつかない。
自殺する人は人生の何処かで質の悪い人に上手く操られたのである。
騙した方は騙したという証拠を残さないで騙す。
お人好しで真面目な人は相手を見ないで好意を示すという愚を犯す。
そして苦境に追い込まれる。
うつ病になったり、自殺したりするエリートは、有名大学で勉強するよりも
「世の中には色々な人がいる」ということを体験すれば良かったのである。
有名大学卒業の肩書きよりも「人を見ないで好意を示すことは
リスクが大きすぎる」という知識の方が、現実の世の中で生きるには役に立った。
エリートコースに乗って最後には挫折する人がいる。
そういう人は、うつ病になった時、自殺願望を持つ時、分かったのではもう遅い。
エリートという肩書きが何の意味もないということを、もっと早く
知らなければならなかったのである。