騙す人は都合がいいか悪いかしか見ていない

詐欺師の視野は狭い。しかし相手を見抜く力は抜群である。
真面目で劣等感の深刻な人は、相手を全く見ていない。
逆に詐欺師は相手を見抜いている。
これでは勝負にならない。

詐欺師が相手を見る時に、心優しい人と冷たい人という視点はない。
尊敬とか親しみとかいう人間的な視点はない。

教養があるとかないとかという視点も関係ない。
どうやって騙すのか、どうやって操作できるかという視点だけである。
相手を見る視点がハッキリとしている。

心やさしい人だから騙すのは可哀想だとか、信心深くて騙すのは
畏れ多いとか、いっさい関係ない。

社会的な成功者とか失敗者とかも彼の視点にはない。
時に有力な財界人までが詐欺に遭うのは、偉くなると、
相手を自分を偉い人と思っているだろうと錯覚するからである。

詐欺師にとっては有力な財界人か、経済的敗者かは関係ない。
騙される人は、詐欺師の視野の狭さに気がつかない。
騙される人は、詐欺師と自分の価値観に気がつかない。