語らいのない家は索漠としている

子供が学校から帰ってくる。母親がテーブルの上にジュースを
置いて待っていてくれた。

「お母さんが自分のためにジュースを置いてくれたんだ」
そういう気持ちになるところで、その子の居場所が家にできる。

そういうことがあるから、子供は我が家が自分を迎えてくれるという
気持ちになれる。

「何か飲む?ジュース飲む?」
それは「ようやく帰ってきたね」という親の気持ちを表している。
「学校大変だったよね」という親の気持ちを表現している。

家の外で頑張ってきたことを理解してくれる言葉である。
親が自分を認めてくれたことを表す言葉である。

そうした言葉が家に子供の居場所をつくる。
我が家に心の居場所をつくる。

ジュースを飲むと、子供は我に返る。
その時、自分の頑張りを自分で認められる。

飲むことで、生き返る、よみがえる。
子供は毎日、子供なりの峠を越えて生きている。

こうしたちょっとした語らいの中で子供は心理的に成長していく。